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東映デジタルセンター ツークン研究所×クレッセント

~次世代デジタル制作を担うデジタルセンター ツークン研究所が本格稼働~

 次世代デジタル制作環境とワークフローを最適化するツークン研究所


~東映株式会社 デジタルセンター ツークン研究所~ フィルム撮影はもちろん、次世代のデジタル制作にも力を入れている東映は、2010年8月からデジタルセンターを本格稼動させた。デジタルセンターは、関連会社である制作会社の東映テレビ・プロダクション、ポストプロの東映ラボ・テック、アニメーション制作会社の東映アニメーションからアクセスの良い東京撮影所内に開設。撮影からフィニッシングまでを一貫したワークフローが構築できるデジタル制作拠点として活用し始めた。このデジタルセンターにおいて、次世代制作環境や新たなワークフローの検討/構築を担うのがツークン研究所。デジタルセンターとツークン研究所が一体となって最先端デジタル制作に取り組んで行く。デジタルセンター長、ポスプロ事業部長、ツークン研究所長を兼務する葛西歩氏に話を聞いた。

 

東映デジタルセンター センター長・ツークン研究所長の葛西歩氏(左)とダイナモピクチャーズ社長の広川ひろし氏(右)

 

東映デジタルセンターのマスコットとして制作した「ツーくん」

 

 「プロジェクターを使用したデジタルシネマが普及するにつれ、デジタル収録、デジタルインタメディエイトによる制作が行われようになってきました。東京撮影所内には『相棒』や仮面ライダーシリーズ、戦隊シリーズなどの制作をしている東映テレビ・プロダクションもあり、道路を挟んで東映アニメーションの大泉スタジオもあり、東京撮影所周辺に東映の制作機能が集約していることから、デジタルセンターの開設が決まりました。赤坂や調布など、点在している制作機能を1カ所に集約して効率よく運用しながら、次世代型の一貫したデジタル制作に取り組んでいくために作られました。」

 デジタルセンター開設の経緯について、葛西氏はこのように話した。さらに、これからの映像制作をさまざまな角度からいろいろな形で取り組みたいという東映・岡田裕介社長の方針もあり、デジタル映像制作における研究開発を担う部署として、デジタルセンター内にツークン研究所が配置された。

 「ツークン研究所は、準備自体は撮影所のスタッフとともに2009年夏から開始し、デジタルセンター開設に先立ち2010年4月に立ち上げました。『ツークン』とは、ドイツ語で『未来』を意味する『Zukunft(ツークンフト)』から採りました。VFX、ステレオスコピック3D、3DCGの各分野を組み合わせた次世代ワークフローの構築/最適化に取り組んでいきます」

 

 

 2009年はステレオスコピック3D作品に注目が集まり始めた年となった。東映では、2009年夏に公開した映画『侍戦隊シンケンジャー 銀幕版 天下分け目の戦』のデジタルシネマ上映において、ステレオスコピック3D作品としても上映した。2010年夏は、『仮面ライダーW FOREVER AtoZ』『天装戦隊ゴセイジャー エピック ON THE ムービー』両作品において、ステレオスコピック3D制作を採り入れた。ステレオスコピック3D制作は、通常の撮影とは異なり、奥行き感を表現する視差調整なども必要になるため、「ステレオグラファー」と呼ばれる専任のカメラマンやアシスタントが不可欠になる。今回の映画製作においては、ツークン研究所がその役目を担いつつ、関連各社の協力を得ながらデジタルセンターで完成させたという。

 このように最先端デジタル制作が可能なデジタルセンターだが、葛西氏は設置を検討している段階で「大泉地区での有効なサービスの提供には、デジタルセンターと撮影所が対になったサービス提供が必要であり、そのためにモーキャプが非常に有効ではと考えていた」と感じていたと話す。そのような経緯もあり、今回、撮影手法の1つとしてモーションキャプチャシステムを導入することにした。

 「東京には広いスペースのモーションキャプチャスタジオがありません。撮影所の広いスタジオ空間を使用することで、幅広い利用が可能になります。日本でのモーションキャプチャはまだまだ限られた使い方であり、ハリウッドのように撮影段階からモーションキャプチャを使って実写合成するような使い方に至っていません。こうしたVFXを生かした撮影を実現するには照明やセットを組む必要もあります。撮影所には技術エキスパートも揃っていますから、デジタル技術とスタジオ空間を融合させた新しいモーションキャプチャ表現ができると期待しています」

 今回導入したのは、VICON製光学反射式システムT-160カメラ24台だ。T-160は1,600万画素センサーを用いた高分解能キャプチャが可能なモーションキャプチャカメラだ。今回、モーションキャプチャスタジオを常設するのではなく、必要に応じて各撮影スタジオ内に組み上げる方法を採用した。撮影・運営・データ処理については、株式会社ダイナモピクチャーズ(東京都千代田区)と連携する。ダイナモピクチャーズは、日本で初めてモーションキャプチャスタジオを開設し、豊富な運用実績を持つ制作会社だ。同社の広川ひろし社長は、デジタルセンターとの連携について次のように話した。

 「当社はこれまで、映画やゲーム制作の現場において長年、モーションキャプチャに取り組んできました。その取り組みの中で、限られた空間を最大限にいかしクライアントの多様なニーズに応える技術とノウハウを蓄積してきました。 しかしこちらでは、空間的な制約なく最適な撮影をすることが可能になります。そして、さまざまな企画が集まってくることにも魅力を感じています。その企画開発の中に新たな技術的な開発テーマが生まれてくる可能性を感じています」

 

 

 今後は映画や番組における実写合成からアニメーション制作、ゲーム制作まで、撮影内容に応じて撮影所内のスタジオを使い分けながら次世代型のモーションキャプチャとして10月から本格運用していく。同時にツークン研究所では、マッチムーブソフトウェアboujou5も導入を果たしており、東映内でのVFXの拠点として、表現の幅を拡げていく。

 
▼東映株式会社 デジタルセンター ツークン研究所
モーションキャプチャ利用に関する問い合わせ先
TEL 03-3867-5029
〒178-8666 東京都練馬区東大泉2-34-5
http://www.toei-digitalcenter.jp

 

● この記事、会社情報は2010年8月の取材構成を基に構成されています。その後変更となっている場合もございますのでご了承下さい。 ● 記載された会社および製品名は、各社の登録商標または商標です。