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お茶の水女子大学 ・早稲田大学×クレッセント

~高所恐怖など建築物における人間の生理反応の研究にHEWDDとViconを活用~

取材にご協力頂いた元岡先生(左)、長澤先生(右)

~研究に必要なVicon~

建築家でもあるお茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科の元岡展久准教授はいう。「一年ほど前から、室内環境と人間の行動、今まで別々に考えていたものを結びつけるような研究ができないだろうかとぼんやり考えていました。建築デザインの設計にもつながるような研究の機材があればと探したのですが、経験も少なく、明確なアイデアはありませんでした。そんな時、早稲田大学の長澤先生の研究を知り、ご相談したんです」(元岡先生)。「私は以前より室内環境と人間の行動に関する研究を専門に行っていて、これまでも設計事務所やディベロッパーと共同研究をやってきました。また、福祉系の大学などでViconを導入しているケースが多く、人間行動のシミュレーションにはViconが有効なことは知っていました。それで元岡先生とViconを導入した共同研究の計画を立てたのです。」(長澤先生)。お茶の水女子大学では、福祉工学の研究室もあり、リハビリテーションの分析や歩行計測など、モーションキャプチャーシステムが必須のツールとして利用されている。また舞踊の研究室においても、人体の運動計測に有効だという。

 ~建築使用者の視点での計測が可能なHEWDD~

設計者はこれまで、建築デザインやの空間計画のためにCADを用いたり、利用者の行動シミュレーション映像などをみて施設の機能計画に利用してきた。しかし視覚的な再現だけでは、生身の肉体の経験からは遠い。そこで、実際の建築空間の体験により近い状況を再現する方法として、VR(バーチャルリアリティ)とViconを連動させることを考えた。長澤先生が着目したのが、被験者が動きながらヴァーチャルな空間を体感できるヘッドマウントディスプレイシステムのHEWDDだ。「今、私たちが具体的に研究しているのは高所恐怖症です。それを体感できるのがHEWDD。

ヴァーチャルな空間を動き回れるので、没入感があります。例えば超高層ビルの窓際を想像してください。窓際に近づくと腰がひけドキッとする、その高所恐怖の人間の生理反応を高所の窓際のVRを用いて計測しています。(HEWDDは)デザインと人間の生理反応を関連づけて観測することができるので、その結果、心地よい窓際、不安な窓際といったこともデザインにフィードバックが可能です。同じ高所でもデザインによって人に与える恐怖感が違います。VRをもちいると簡単に空間の設定を変えて実験することができます。」(長澤先生)。

~今後の唯一の要望は“ヘッドマウント”?

両先生の研究に、有効なツールとして活躍しているVicon+HEWDD。ほぼ満足して利用されているのだが、あえて今後の要望をお聞きしてみた。

「(HEWDDは)ちょっと重たいですね。早稲田の男子学生が使う際には感じなかったのですが、共同研究でお茶の水女子大学の女子学生に使ってもらってみると、とても重たそうな印象を受けますね。人によっては、乗り物酔いのようなつらさを感じることがあります。後は、脳血流が計測できないことですね。頭にかぶるのでこれは仕方ないことなのですが。」(長澤先生)。「今は手のひらの汗と、心拍数で生理反応を測っているのですが、脳の血流をはかる光トポグラフィーシステムを使った脳の計測できれば、もっといろいろなデータが計測できるんです。(HEWDDは)すっぽり頭を覆ってしまうので、難しいですね。改善するなら、軽くて、拘束の少ない機器が望まれます。

 

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取材協力:株式会社クレッセント

● この記事、会社情報は2011年1月の取材構成を基に構成されています。

その後変更となっている場合もございますのでご了承下さい。 ● 記載された会社および製品名は、各社の登録商標または商標です。