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jupiter jazz×クレッセント

~日本のクリエイターに全く新しい世界を~


jupiter jazz社 CEO パオロ・ベルト氏

Foudary社のハイエンド2D/3D合成ツールNukeはデジタル・ドメイン、フレームストア、MrX、WETAデジタル、インダストリアル・ライト&マジック(ILM)などに代表されるハリウッドはもちろん、国内でも有数なCG映像制作会社の多くに導入されているデファクトツールだ。一般的なデジタル合成ソフトとしてはAdobeAfterEffectsが有名だが、機能の限界があり、ハイエンドでの使用ではNukeが現状スタンダードになっている。AfterEffectsがレイヤーベースなのに対してNukeではノードベース。ノードベースならば制作の過程を俯瞰することができ, 全体像が把握しやすくなる。その上、映像制作で飛び交う多くの情報を制作者同士で共有することが可能なのだ。 このNukeを更に使いやすくするプラグインが「AtomKraft」だ。2011年12月12日から15日まで香港で開催された「SIGGRAPHASIA2011」でVer1.0を発表、2012年3月には数多くのバグフィックスと新規機能改善を行ったVer1.1をリリースした。全世界で販売される「AtomKraft」は国内においてはクレッセントが販売を担当する。 来日した「AtomKraft」の開発元、jupiter jazz社のCEO、Paolo Berto Durante(以下パオロ・ベルト氏)にインタビューした。

 

「AtomKraft」開発、そしてクレッセントが国内販売を担うまでに至った経緯をお聞かせください。

 

パオロ・ベルト氏:元々RenderManレンダラー「3Delight」の開発陣と懇意にさせて頂いていて、その伝手で日本で販売しているクレッセントと懇意にさせていただいていた。私が日本が大好きで来るたびにクレッセントの皆さんと会食させていただいているうちにもし私が何か開発したら日本で販売してもらうのはクレッセントさんだねという話になっていたんです。

 

「AtomKraft」の機能の詳細はウェブサイト(www.crescentinc.co.jp)で確認してもらうことにして、「AtomKraft」のアドバンテージの要点を教えてください。

 

パオロ・ベルト氏:まず、プロダクトラインの三つのパイプ(ルックデベロップメント、ライティング、レンダリング)を一つに統合する。一つの合成ツールの中に入れ込むことができ作業が効率化します。つまり3Dソフトにいちいち戻らなくて済むんです。例えば監督から急に変更と言われたらこれまででしたら、一度3Dソフトに戻らなければいけなかったがそれをしなくていいということ。二つ目は多種多様なアセットを統合できるということ。新しいフォーマットであるAlembicやHoudiniファイルやレンダーマンのシェーダー、ファイルなど今までできなかったような多種類のアセットを直接読み込めます。ユーザーが用途に応じた随意のファイルタイプ、アセットが選べるため、このファイルが使えたかったのに使えないというような諦めさせることが少なくなります。三つ目は以上のことが全てNuke内でインテグレーションされること。全く別のソフトを覚える必要がなくこれまでNukeを使ってきたユーザーならばスムースにオペレーションできるので新たな学習や研修の時間が削減できます。

 

しかしながら、このツールは3Dソフトで行なっていたことを全てNuke上で行うことを目的とはしていません。Nuke(あるいはAfterEffects)上でコンポジターにこれまでにないワークフローと可能性を提供することが目的です。

 

全世界で既に販売されているんですよね?

 

パオロ・ベルト氏:はい。アメリカ、カナダ、ヨーロッパ、日本、香港含めたアジアで同時発売されています。エリアというより老舗のCG制作会社のワークフローを改善していくためのツールをというアプローチですね。エリアを強いて言うならばやはりアメリカ、ヨーロッパ、日本には注力していきたいと思っています。特に日本はハリウッドとは異なる、独特のカルチャーを持ち非常にクールで魅力を感じています。日本に住みたいほどです(笑)。


SSSとHDRIによる環境光

SubdivisionSurfaceとポリゴンのパーティクル化

 

今後の抱負などを聞かせてください

 

パオロ・ベルト氏:Nukeのプラグインとして開発してきましたが、やはり世界的にマーケットとして圧倒的なシェアをもつAfterEffectsのマーケットも狙っていきたいと考えてます。Nukeで培ったプラグインの機能をAfterEffectsに移行して機能限定版としてより廉価に販売できるもの(AfterEffectsのプラグイン)を開発中です。NABの後にリリースする予定です。

 

AtomKraft/AfterEffects画面(写真下)
─ 3Dモーションブラー
─ Alembic (ABC) アニメーションアセット
─ レンダリング時のサブディビジョンサーフェス
─ レイトレースシャドウ
─ AEカメラ、ライト、マテリアル、テクスチャサポート

 

 

日本のクリエイターに向けてメッセージをお願いします

 

パオロ・ベルト氏:働きすぎないでください!(笑)。

https://atomkraft.hk

 

 


パオロ氏の略歴
Alias│wavefront社とmental images社において多くのレンダリングに関する経験を積む。
これらの会社におけるレンダリング技術の状況を憂い、よりパワフルで柔軟なレンダリングソリューションを探し始め、堅牢で実績のあるRenderMan(REYES)アルゴリズムとモダンなレイトレーシング(RAYS)アプローチを融合させた3Delightに出会う。
3DelightをNukeにインテグレーションさせれば、3Dと2Dを結ぶ架け橋となる、ユニークかつパワフルで革新的な製品になると思い至る。同じ思いをAfterEffectsに見出した、彼のビジネスパートナーであるMoritz Moellerと共にJupiter Jazz Limitedを香港に立ち上げ、AtomKraft for Nukeの開発を進める一方、2012年にはさらに大きなマーケットであるAfterEffectsにも目を向けている。
同氏は日本とその文化への愛情と3Delightのつながりからクレッセントと出会い、今に至る。

 

● この記事、会社情報は2012年3月の取材構成を基に構成されています。その後変更となっている場合もございますのでご了承下さい。
● 記載された会社および製品名は、各社の登録商標または商標です。