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ライゾマティックス×クレッセント


ライゾマティックス社 真鍋大度氏

アーティストの肖像権という難題を見事にクリアし、更にそのモーションキャプチャデータをオープン化しクリエイターの参加を促し、市場を活性化。また、企業のキャンペーン企画で斬新な表現を実現。

メディアアート的な表現を広告、エンターテイメントのフィールドで展開していこうと、斉藤精一氏(代表)、真鍋大度氏、千葉秀憲氏の三人で2006年に設立したのがライゾマティックス社。
斉藤氏は建築、真鍋氏は音楽やメディアアート、システムエンジニアリング、千葉氏はWebに強かったので、バックグラウンドが違う3人が集まれば、何か新しいメディアが作れるんじゃないかという発想からの設立だった。中でも真鍋氏は元はDJ、ジャズバンドのトラックメーカー、メーカーの防災システムのSEという、映像とあまり関わりのない出自という異色の経歴を持つクリエイターだ。防災システムの中のリモートカメラを制御するシステムを拡張するプログラムを書いたり、検証、設計などをしていた。その転身について真鍋氏は「単純に性に合わなかった」という。

当時、プログラミングアートが初台のICCというところで展示されていてそれをよく見に行っていた真鍋氏。そこで作品を作りたいとIAMASという美術学校に入り直した。作品を作り続けたりCMの音楽制作のアルバイトなどしながら、これらを仕事にできないかと考えたという。当時はまだプログラミングアートを広告の案件などに展開している人はほぼ皆無だったのだ。

ライゾマティックス設立当時はLEDの新商品の紹介ブースやメーカーのショールームの映像制作の仕事をこなしていた。そんな中、今から約二年前Perfumeの東京ドーム公演の演出サポートの仕事がやってきた。

「Perfumeの仕事はここ2年ほどやっていて、TOFカメラやkinectなど3Dスキャンのシステムを使って撮影することなどを結構やっていました。その辺のシステムだと髪の毛などはきれいに撮れないんですが、去年クレッセントさんにお伺いして4DViewsだとそれがきれいに撮れるんで、これは使える!と。。。ただコストのことを考えると気軽に使えるものではなかったんです。日頃手がけているミュージックビデオやアートプロジェクトの予算だと厳しかったのですが広告予算なら使えるなとは考えて時期を狙っていました。そこに大規模なプロジェクト(キリンの氷結のキャンペーンWebサイトの中で使うコンテンツ制作)という話があり、クレッセントさんにご相談とご協力をお願いしたんです。

 


氷結 Perfume Digital Live/3DCG Effect: MCRAY/produce: PICS/webdesign and programming: Rhizomatiks

 

映像系の展示会だと作品にすぐに使えそうなデモをよくやってるので、そういうのを見に行くのが好きなんですが、その中でクレッセントさんに出会ったのが4DViewsを知ったきっかけでしたね」。

Perfumeのグローバルサイトでは、彼女たちの日本での活動とは少し異なるプロモーションを展開している。 この中でも特に異色で先進的なのが、「プロジェクト001」というものだ。これはPerfumeの指定されたモーションキャプチャデータや楽曲が公開され(ライセンスフリーでダウンロードできる)、その素材を元に誰でも自由に自分のオリジナルのモーショングラフィックスを作成でき、それをYouTubeなどに自由にアップロードできるというもの。画期的なのはとかく厳しいライツの問題が全てクリアされていることだ。

「オフィシャルで行っているものです。ライセンスをレコードレーベルとマネジメント側にお願いして了承を得て全てクリアにしています。そういうところがグレーな状態だといつ削除されるかわかりませんので」(真鍋氏)。

音楽の著作権というのは特に大変で今回はしかも国内ではなくグローバルなレーベルでの許諾、4ステップほどの承認を得てやりとりを何度も繰り返してようやく実現した。まさに企画とレーベルとの交渉を一気に担った真鍋氏の情熱なくしては不可能だったものだ。レコードレーベルとしてもここまで緩いライセンスを許可したのは異例中の異例だという。既に400点以上がアップロードされており、かなりの盛り上がりを見せている。真鍋氏もその殆どをチェックしているという。

「(投稿者は)やはり日本の方が多いですが海外の有名なコーダーも参加してくれています。(作品の傾向としては)最初はMMDを使って作成した映像やプログラマーが行っているオープンソース企画が多かったですけど最近はいろいろなコンテンツが出てきていますね」(真鍋氏)。

これからこの分野を勉強していきたいという人にも最適の教材になるとも思えるが?

「そうですね。学校の授業で使ってもらったりすることもあるようです。誰でも簡単に使えるように色々な環境でエグザンプルのコードをオープンソースで公開してます」。

「ライセンスフリーで提供される楽曲もこの企画のために中田ヤスタカさんが新たに書き下ろしてくれたものです。レーベル、マネジメント、作曲家、アーティスト、全ての人々が協力してくれたおかげで実現出来たプロジェクトですね。その成功があったからこそ、4D Viewsでスキャンする機会を提案出来て実現出来たという感じですね。」(真鍋氏)。

クライアント、エージェンシー、マネジメント(アーティスト)、制作サイドの関係の中で通常はエージェンシーが企画したものを制作サイドはただ請け負って制作していくフローが殆どだが、今回はマネジメント側が真鍋氏が制作担当するならという条件付きで今回のような緩いライセンスを許可したのだという。真鍋氏がその才能を評価されているならではの実現した企画。今後は投稿された作品でコンテストも実施する計画もあるそうだ。

http://www.perfume-global.com
http://perfume-dev.github.com
では、モーションキャプチャデータの配布やサンプルプログラムが公開されている。
「CGクリエーターが楽しめる素材を提供して行くので是非チェックしてください!」(真鍋氏)。

 

株式会社ライゾマティクス
〒108-0071 東京都港区白金台3-18-1 八百吉ビル3F
電話 : 03-5789-9929
http://rhizomatiks.com/