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FacewareTechnologies×クレッセント

アニメクリエイターの“作業”を代行し、よりクリエイティブな仕事に専念させてくれるテクノロジー

2012年に設立されたばかりだというFacewareTechnologies社(以下フェイスウェア社)。モーションキャプチャーの中でも特にFace(顔)のキャプチャーデータシステムのR&Dを行い、ハリウッド映画の制作にも技術協力しているIMAGE METRICS社からスピンアウトした会社だ。

既にアメリカでは高い評価を受けているIMAGE METRICS社のベース技術をフェイスウェア社では、ソフトウェアとハードウェアとして商品化した。彼らはこれを”イメージベースドフェイシャルモーションキャプチャーシステム”と呼んでいる。IMAGE METRICS社で長年培われたフェイシャル、ジェスチャー認識の技術に加え、リギング、アニメーションの技術を駆使しあらゆるクオリティのCGアニメーション制作の現場で即戦力となる、ビデオベースのフェイシャルアニメーション生成のソリューションなのだ。商品構成としては、ハードウェアとなる、HMC"Head-MountedCameras"(シングルカメラ+LEDが付いているカメラシステム。NTSC/PAL同梱可能で有線/無線オプションもある)と画像解析ソフトウェア"Analyzer"(同社の画像処理アルゴリズムを駆使して、撮影された映像ファイルから表情の動きを専用フォーマットIMPDファイルに書き出すソフトウェア)、リターゲティングプラグイン"Retargeter"(Analyzerから出力されたIMPDファイルをもとに高品質のフェイシャルアニメーションを簡単に作成する。専用のリグセットアップが不要で、普段使用しているリグに実景からのアクターの演技を自動でプロットする。AutodeskMaya,3dsMax,MotionBuilder,Softimageに対応)からなっている。主なユーザーは現在は北米中心でゲーム制作会社やCG/VFX制作会社なのだが、顧客の数ではなく”工数”で換算すると圧倒的に前者だという。例えばゲームの中でのムービーシーン全てをFacewareを使ってもらったこともあるという。バイオハザードやアサシンクリード、ヘイローなどでも使われたことがあるそうだ。

日本ではクレッセントが総販売代理店として2012年9月から契約を結んでいる。日本の名だたるCG制作会社やモーションキャプチャスタジオなどにその技術の伝道師よろしく来日し精力的にプレゼンしてきた、フェイスウェア社のパフォーマンスキャプチャスーパーバイザー、クリストファー・ジョーンズ(Christopher Jones)氏に話を伺った。

 

■アニメーターさんに余計な仕事をさせない
この種のフェイシャルアニメーションシステムはもちろん、同社だけではなく競合するものもある。その中でフェイスウェア社のアドバンテージとは何だろうか。「我々には(IMAGE METRICS社で長年培われた)技術の蓄積がある。2012年から商品化したがその10年前からサービスとして提供し続けてきたので現場のアニメーターやクリエイターの要望も熟知している」とジョーンズ氏。フェイシャルアニメーションの業界はまだサービスとして提供している会社ばかり。例えば開発途中のアニメーション、キャラクターなどのリグを外部の会社に渡さなくてはいけない。それがこのFacewareではソフトウェアとして開発しているので顧客がそのソフトウェアを持ってさえいれば顧客内部で全て処理ができる。工程の内製化も可能になることで秘匿性も高まるわけだ。わざわざ守秘義務を交わすこともなくなる。「(日本でのプレゼンにおいても)ポジティブでとても良いリアクションを頂いた。我々のソフトウェアの特徴は、手付けアニメーションの工数を驚異的に減らすことができると言うこと。お客様が日頃使っているリグ、キャラクターがそのまま使えるのでワークフローを変えなくていいところ。コストパフォーマンスについても、アニメーターの工数を激減することのできるソフトウェアなので、かなりコストを抑えられるという評価を頂いている。我々は常に”アニメーターさんに余計な仕事をさせない”ワークフローを心掛けて開発している。100%手付けしなくてはいけない工程でその8割以上をこのソフトウェアが代行できる。その浮いた時間でそのファイナライズ、アニメーションをきれいにするところだけに集中していただける。作業的なところはこの技術に任せてください。アーティスティックなところだけに集中してくださいということです」(ジョーンズ氏)。

 

■ユニークな料金体系
既に紹介した同社の商品構成はハードウェアのHMC"Head-MountedCameras"が日本円で税別150万円。ソフトウェア二つは無料で時間単位の使用料金で課金されるというユニークなスタイル。ちなみにこのIMPD出力時間1分にあたり使用料金は10万円だ。このようなユニークな料金設定を取った理由はなんだろうか。「多くのアニメーション制作会社ではそのお客様の中でプロジェクトごとに総予算が決まっていて、例えば何分のアニメーションを制作するためにどれだけのソフトウェアを購入しなければならないということを考えると制作してみたらこんなに費用がかかっていたというケースが多々あるんです。それがアニメーションは大体分数、尺が決まっているので、ソフトウェアそのものを無料にしておけばデッドラインが決まっていてそこに向けて何十人ものアニメーターを配置しなければならない緊急の場合にもソフトウェア自体が無料ですので同時に人数分のソフトが使えるんです。その一方で一人のアニメーターさんがじっくり使うこともできる。そうした使い方をコントロールできるからというのが大きな理由ですね」(ジョーンズ氏)。ファイルを出力する際にネットワークでつながったサーバ経由で課金され、後ほど請求書が送られてくる。フェイスウェア社のサーバはAmazonのクラウドサーバを利用しており、どこにいても体感速度は変わらず速いという。また、ソフトウェアが無料なので保守サービスに入ってもらう必要が無い。例えばこのプロジェクトだけ試しに使ってみたいというケースでも後で保守がどうとかそういうことも無いそうだ。またWebサイト(www.FacewareTech.com)ではフェイスウェア社がこれまで蓄積してきたチュートリアルやサンプルの顔のリグなどもオープンに公開されているという。
最後に読者へのメッセージを。「とにかく気軽に使ってみてください!試していただければ良さがわかる。」(ジョーンズ氏)。