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大阪大学 産業科学研究所×クレッセント

動的バイオメトリクス認証の一つ、歩行(歩容)認証。約10年前から基礎研究を続け、警察にも協力、今や二つの大きな国家プロジェクトのリーダーが大阪大学 産業科学研究所八木研究室だ


写真(中央左)山添助教、(中央右)満上助教

科学を武器に、凶悪化・ハイテク化する犯罪に立ち向かう法医研究員の姿を描いたテレビ朝日・東映制作の人気サスペンスドラマ「科捜研の女」。その第10シリーズのCASE.IV「刑事の闇! 歩行分析が暴いた殺意の謎!?」では歩行(歩容)分析という科学が犯罪を暴くというものだ。これはもちろんドラマの世界だが、現実としてこの歩行(歩容)分析を研究し科学警察研究所に協力しているのが大阪大学 産業科学研究所八木研究室だ。産業科学研究所長でもあり、工学博士の八木康史教授が研究代表者として今、二つの大きな国のプロジェクトを引っ張っている。その一つがこのまさにドラマを地でいく文部科学省 科学技術戦略推進費による、安心・安全な社会のための犯罪・テロ対策技術等を実用化するプログラム「人物映像解析による犯罪捜査支援システム」。参画機関は大阪大学はもちろん、大阪府立大学,和歌山大学,早稲田大学,(株)東芝,科学警察研究所など。また、もう一つは科学技術振興機構(JST) 戦略的創造研究推進事業(CREST)共生社会に向けた人間調和型情報技術の構築「歩容意図行動モデルに基づいた人物行動解析と心を写す情報環境の構築」というもので、こちらも参画機関は大阪大学はもちろん、東北大学,近畿大学,警察大学校,青山学院大学,大阪電気通信大学となっている。

今回はこの大阪大学 産業科学研究所八木研究室にお伺いし、中心となる研究者、産業科学研究所長八木康史教授、満上育久助教(工学博士)、山添大丈助教(工学博士)に取材対応して頂いた(以下敬称略)。

 

[歩容解析]
歩容とは英語で表現すれば"gait"で歩容も歩様も同じ”歩き方”ということ。日本ではこの言葉を使う人の立場によって特に馬の歩き方などを歩様、ロボットなどは歩容と表現することが多い。カメラに写った人物の歩き方の解析が歩容解析(gait analysis)。八木研究室ではこの歩容解析技術の基礎研究を2003年から行っている。バイオメトリクス(生体)認証には、指紋、掌形、虹彩、顔、血管、音声、耳形、DNAなどの静的特徴と、筆跡、キーストローク、リップムーブメント、まばたきなどの動的特徴を利用する方法があるが歩き方は後者に属する。 2011年8月に東京・お台場の日本科学未来館で開催された「人映像解析の最先端」というイベントでは、前述した文部科学省 科学技術戦略推進費やJST 戦略創造推進事業が後援で、大阪大学産業科学研究所八木研究室を始め、共同研究機関である,東北大学、早稲田大学、東芝、奈良先端科学技術大学が出展を行った。八木研究室では、横から撮影したカメラの映像を用いる事で、「腕のふり」「背筋の伸び」「歩行周期」「歩幅」などといった歩き方の個性が自動的に解析される歩容解析システムを展示していた。(掲載画像参照※同写真は大阪大学産業科学研究所施設内に設置されている同様のシステム)。

[歩容解析技術の応用]
こうした歩容認証技術の応用例で最もわかりやすいものの一つに犯罪捜査が挙げられる。例えば犯行時の歩行映像があれば、被疑者の歩行映像と比較することで、同一人物であるか否かの鑑定が可能である。八木研究室では、日本初となる歩行映像からの警察鑑定を実施しており、現在も月1件のペースで鑑定依頼がくるそうである。将来、銀行ATMなどで特定した犯人を撮影できていた場合は、その歩き方が事前に登録しておくことができれば、ずばりその犯人の歩き方と同じ歩き方をしている映像をたくさんの監視カメラから自動的に検索してくることも可能になる。文部科学省 科学技術戦略推進費の研究では、未来の科学捜査技術を研究している。

 

[歩容解析システムを構成するひとつがVicon]
JST CRESTでの研究は、更にその先をいく歩容解析研究である。この研究では、映像中の歩行パターン(歩容)から人の意図や心身状態・人間関係を読み取る技術を構築することを最終ゴールとしている。映像から人の意図感情を理解できれば、犯罪予防、販売促進、老人ケア等、様々な応用が期待できる。Viconは、主に詳細な歩容解析のための歩行動作計測手段として、八木研究室では、これらの歩容解析研究のために2012年3月にViconを6台導入した。Viconの導入により、様々な状況下で、全身の3次元運動を精度よく観測できるという。2012年にViconを6台入れて特に問題もなく満足の得られるデータを入手できたということもあり、その実績を評価してこの1月、別棟にVicon16台の更なる導入となった。最初のシステムは、ルームランナーのような装置を設置してデータ入手してきたが、別棟ではよりリアルに本当の歩行状態のデータを入手すべく構成している。

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