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導入事例:株式会社モズー(その3)

 
 

 

(左)マーカを50箇所以上に設定した馬の状態。汗で取れないように強力な両面テープをつけているが、このようなアイデアを実行できるのも、経験から生まれている。
(右)世界にこれしかないという馬の解剖図。事前セットアップではこの資料が唯一の頼りであった。

 

 

 小淵沢の馬場にVicon MXカメラ24基を設置して撮影がおこなわれた。

 

 MoCAPの撮影は小淵沢の馬場に最新のVicon MXカメラ24基使い行なわれたが、現場はとにかく寒いと聞いていたので、防寒対策も万全な体制で挑んでいた。

 馬の撮影は2時間程度、2頭で行なわれた。思ったよりも時間が短いのだが、これは馬の体力がもたないためだ。その中で馬の走るカットや騎馬上でのアクションを含め42カットを撮りきった。

 しかし、騎馬での合戦シーンなどは馬に乗ってアクションができる限度があったため、木製の馬を使っての撮影などはモズーのスタジオで行なわれた。

 

馬に乗ってのアクションが出来ないカットは、このように木製の馬マシーンで撮影が行なわれた。

(※続けて再生をする場合はブラウザの更新をクリックして下さい。)

 

 今回馬のMoCAPを行なった際に様々な発見があり、例えば馬がたたずんでいる時に耳がぴくぴくと動く事ものその1つだった。馬は周りの音を聞いていて、それで音の方向にむけて耳が動きまわりの状況判断を行なうのだが、このような動きは通常知らないが映画のシーンで耳をちょっと動かす事で自然なイメージに仕上がる。そのため、耳にもマーカを付けて撮影は行なわれた。

 

 「GOEMON」では、CG/VFXの制作を担当した株式会社 エヌ・デザインによるCGによるプリビズが全編に渡り作成されていた。これは、元々背景のほとんどがCGで作成するため、グリーンバックでの撮影になる。そのため演じる側としても、プリビズで周りの状況を確認する必要があり、また背景CG制作においても何処に何があるかを把握する必要があるためだが、日本では珍しい制作手法である。

このプリビスの制作のためにも、馬やモーションアクタによるMoCAPが撮られていた。

 

日本では珍しいが全編にわたりプリビスが作成された。映画本編で使われたのは41カットだが、プリビスを含めると数千カットと映画としては、モズーでも一番規模の大きな撮影となった。プリビズの馬は手付けで行なわれ、本編では実際にMoCAPで撮影されたデータが使われた。

(C)2009「GOEMON」パートナーズ

 

 

 モズーとしては、馬のMoCAP撮影からアニメーションを含むMayaのシーンデータ作成までが作業範囲となったが、制作期間や苦労した点について聞いてみた。

「私たちは撮影したデータをMotionBuilderに取り込み、クリーンナップ、Mayaのシーンとしてアニメーションの状態まで作りました。最終的には6ヶ月はかかりましたが、一番時間がかかったのは馬の骨構造ですね。

あと、これも実際に馬が走っているシーンを見て判ったのですが、走る時に体勢が斜めになります。それがリアルな馬の走り方なのですが、映画的な演出として馬はまっすぐ走るという考えでしたので、その修正はいろんな意味で結構きつかったです。」

 

 唯一の資料を元にボーンが組み込まれ、アニメーションとして自然な動きを実現した。

 
   馬のMoCAPも完成し、映画 「GOEMON」で演出に沿う点はあったが、見事にCGの馬を実写さながらに表現する事に成功した。

 今回の撮影がもたらしたのは、日本に馬のモーションデータという稀有なライブラリが得られ、これからの馬や動物の映像制作にもこのワークフローを広く活用することができるメリットは大きく、制作の幅も広げることになる。

 

 馬が走る場合には、体が斜めになる以外にも、蹄もかなり曲がっている。このような細かい動きも撮影する事で、CGに反映させる事ができた。

 

 

モズーによる馬のMoCAPが活用された映画「GOEMON」

は、10.9 on Blu-ray & DVD 発売中/レンタル開始

(C)2009「GOEMON」パートナーズ

http://wwws.warnerbros.co.jp/goemon/ 

 

 

  

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