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Vol.160 AG-DVX200

名機AG-DVX100
AG-DVX100(以下:DVX100)が発売されてから既に10年以上の歳月が経過している。DVX100が現在でも名機だと語り継がれているのは、それまでソニーの独壇場だった業務用ハンドヘルドのマーケットに全く違うアプローチで参入し、そしてそれが特に若いクリエーター達がこぞって飛びついたからだ。当時としては様々な新機能を搭載していたが筆者的にはメカニカルタッチのズームが非常に手に馴染んだのが記憶に残っている。そしてもう一つは60i(インターレース)全盛の時代に24P(プログレッシブ)という記録方法を詰め込んだことにある。24P=24コマというのはフィルム映画の世界観でありプロファイルもCINEという映画ライクな物を同時に搭載することにより特に自主映画系(インデペンデント・ムービー)には絶大な信頼を得たのが大きな特徴だ。 DVX100は当時の伸樹社の専門誌「DV JAPAN」にて筆者がレビューを書いているので、お持ちの方は再びご一読頂けたらと思う。

正常進化したDVX200
なぜ〝DVX200〟と名付けたのかという疑問は様々な所から聞く。メーカー広報に聞くとその理由をしっかり教えてくれるが、筆者的に感じたのは〝現代版DVX100〟なのだなと言うこと。つまりDVX100が正常進化し現代の状況にマッチした性能を身につけて登場したのでDVX200という型番になったのだろうと思っている。それではレポートしていく。
まずはトップハンドル部分だが、LCDモニターは今や定番となりつつある場所に収まっている。この位置は筐体の大きさもあいまってハンディで構えた時よりも三脚に載せた時の収まりが良い場所だ。ちょうどカメラマンが本体左側にオフセットされて立てるために本体の中心部分で操作ができるので無理な体制にならないですむ。そのLCDの収納ギミックは横にした状態で本体に押し組む形になる。液晶面が下向きで収納されるのは色々な意味で具合がいい。またマイクホルダー横にある音声入力1chは後方から差すタイプになっており、カメラマイクケーブルが不用意に横に飛び出さないようになっている。これは収まりの良さとデザインが非常に良い。


本体右側後方には映像系の入出力が並んでいる。SDI端子は勿論標準装備、TCは入出力が排他的ではあるが両方共使えるのはマルチカメラの時には非常に便利だ。また同時にコンポジットアウトもBNCで装着されている。業務用モニターが無い場合でのプレビューチェック時にはこの端子が装備されているとかなり助かる。オーディオアウトだけは3.5φのミニステレオ端子となっている。そして一番下には音声入力2chが装備、全て右側後方に集約しているのでVE(またはカメラアシスタント)がカメラマンに邪魔にならずに作業ができる。
本体左側後方はカメラ操作系、つまりカメラマンが自分で設定をする部分が集約されている。SDカードスロットはダブルで装備、勿論リレー方式は勿論、ミラーリングやバックアップ収録も可能となっている。特にバックアップ収録はミドルレンジでの少人数ロケではこの機能が付いているだけで安心感は違ってくる。メニュー構成は1時間位触っていればなんとなく階層も掴めてくる。

舞台撮影
DVX200はLog 撮影ができるので制作系のカメラに思われがちだが、他の大判センサーカメラがスチルレンズを使うのに対して、ビデオカメラレンズなので非常にレンズワークがやりやすい。と言うより純然たるビデオカメラとしての性能も非常に高く、ズーム倍率こそHD機種には及ばないがそれでも全く問題ない。今回はフラダンスの発表会の現場に、表周りのENG系と既存のSWシステムの中に割り込ませてみた。勿論内部RECはQFHDで廻し、あとの編集で切り出し画角でも使えるようにややルーズな映像を狙って収録。この考え方は間違いではなく、どんなリアクションが来るか解らない一般人の発表会では後でHDまでクロップして拾えるのは非常に有効だ。大げさに言えばDVX200を2台用意して本番は画角固定で収録、後のポスト部分でクロッピングを多用してマルチカムのような使用方法と言うのも将来的にはあるのかもしれない。
またハイレゾリューションでの収録だけではなくDVX200はV-logを搭載している。内部RECだと8bit/4:2:0になってしまうが、映画やCMを作るのでは無ければ8bit位の情報量の方がミドルレンジユーザーには使いやすい。ましてや10bit/4:2:2/60Pでも撮ろうものならNLEの環境まで変えなければならなくなる。なので8bit位のLogで収録して色を作ると言うより色を補正する的な考え方が正しいかもしれない。ただし気をつけなければならないのはLog収録前に良くモニターを見て判断しなければならない。DVX200はLCDにLUTが当たるが収録中は通常のLog映像になってしまうのでできれば外部にATOMOS SHOGUNでも接続しておくとそのあたりがよくわかるだろう。

総評
一言で言えば非常に良くできているカメラだ。また制作でもENGでも何でもこなすオールマイティー的な使い方もできる。これから4KやLogを勉強していくミドルレンジにジャストサイズだ。もっと言えば映像の世界にこれから入ってくる学生達のファーストカメラとしても使って欲しい。最近多い、ファーストカメラがDSLRではレンズワークやカメラワークの勉強はイマイチできないがDVX200なら操作性はビデオカメラなので、カメラの基礎から学べるはず。またV-Logはバリカム4Kにも繋がるものでもあるのでやはり上を見て勉強する教科書的なカメラとして是非使って欲しい。