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Vol.010 Libec RSシリーズと ALXシリーズによる海外ロケ

さて、新年最初のレビューは Libec RS シリーズと ALX シリーズに関して。私がレギュラーで入らせて頂いている海外ロケ番組において、昨年12 月はヨーロッパで取材を行った。冬のヨーロッパということで、自身の旅装の他にも撮影機材への寒さ対策も考えた準備をして出国した。

Libec ALX シリーズ
12月に行ったロケの基本的な機材構成は、JVC GY-HM650/Libec RS-250D/Libec ALX S80/SENNHEISER MKH 416-P48U3 他、となっている。
この海外ロケ番組も、レギュラーで就いて今年で9年目。番組自体も9年という長きに渡って、毎週しかも全国ネットでオンエアしているため多くの方に観て頂けている。制作的にはコーナー内容にテコ入れしたり新企画を打ち出すなどして視聴者を飽きさせない努力が続けられているが、カメラマンとしても映像表現に変化を付けて、視聴者の目を釘付けにできるような情感溢れる表現を模索している。
その1つがカメラワークの工夫であるが、スライダーを利用した表現はカメラワークに立体感を与え、ワンカットの中で動的でリッチ感のある画作りを生み出す助けをしてくれる。
動的なワークと言えば、ジブやステディカムのようなものも考えられるが、非常にタイトなロケスケジュールで、しかも技術は私1 人だけというクルー構成なので、好きな機材を沢山持って行って、時間をかけて現場でセッティング―と言った事ができない。
そういった縛りの中で、LibecのスライダーシステムであるALXシリーズと三脚システムのRS シリーズは、最適な選択だ。特に魅力的な仕様が、高品質の三脚雲台(ヘッド)をスライダーにそのまま載せ替えることができるという点。クルーの人数が少ない為、機材は少なく纏めておく必要があるが、ALXとRS-250Dを組み合わせれば、最小限の機材でスライダーオペレーションを現場に持ち込むことができる。その上で、スライダーでも三脚利用時と同じフィーリングで雲台ワークを行え、ストレス無く上質なカメラワークができる点が重要なポイントだ。

Libec ALX SPC
ALXとRSシリーズの組み合わせにより、毎回スムーズなロケを実現できているが、今回のヨーロッパロケでは、別の障害が予想された。それは、寒さという問題であった。ご存知のように冬のヨーロッパは寒い。今回はチェコとスイスの2ヶ国へ赴いたが、どちらも氷点下が予想され、またスイスは雪山ネタがあった為、極寒を覚悟した。ここで問題になってくるのが雲台やスライダーシステムのオイルの凝固である。幸い、RS シリーズは氷点下40℃であってもトルク感の変わらないオイルを使用しており、耐寒冷仕様となっている。しかし、ALX の台車(スライダープラットフォーム)“ALX SP”は、寒冷状態ではベアリングのグリスが不全になり、本来の滑らかさを発揮できなくなる。
そこで、事前にLibecさんに相談させて頂いたところ、寒冷地仕様の“ALX SPC”をお借りすることができた。“SPC”には、雲台のRS シリーズに採用されている特殊グリスがベアリングに封入されており、寒冷地でも滑らかな動きを維持できるという。 今回のロケでは、この“SPC”も併せて現場に持ち込むことにした。(2017年1月号より)