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Vol.046 通販ロケ「音」のこだわり

 

「TVショッピング」制作に挑む!


今回の「TVショッピング」の番組制作は、自分はディレクターではなく、プロデューサーとして参加した。「TVショッピング」は、扱う商品の“メーカーの担当者”が制作スタッフとして加わるため、普段のテレビ番組制作とは、進行のスタイルがすこし変わってくる。プロデューサー、ディレクターが中心となって、制作を進めるのではなく、「クライアント」の意向を充分に汲んだ上で、制作を進めなければならない。テレビ番組に、CMの要素が加わった感じだ。

 

難航したBGM選曲・・・


今回は、健康食品を扱う「TVショッピング」であるが、特に、制作にあたって難航したのは、「音」だった。BGMは、クライアントと相談の結果、「著作権フリー」の曲から探そうということになったので、私と、ディレクターと、音響効果スタッフが協力して、著作権フリー音楽の中からBGMの選曲にあたった。
全部でおそらく3000曲近くは聞いたのではないか(数えていないので不明だが・・・)。しかし、提案した音楽が、なかなかクライアントのイメージに合わずに難航した。
これは「著作権フリー」の音楽がよくない、ということでは決してない。
私は普段からインターネットでダウンロードする著作権フリー音楽を良く使用するが、非常にバラエティに富んでいるし、グレードも高い。ちなみに私がよく利用するのは、制作スタッフにはお馴染みだと思うが「nash music library」という業務用著作権ロイヤルティフリーBGM音源だ。1曲購入すると、2000円〜3000円ほど費用がかかるが、年間契約をすると、20万円で300曲購入できる(1曲約666円)。曲数も1万5000曲ほどある。

 

オリジナル曲を制作!


今回のTVショッピングは、健康食品を扱うため、視聴者に「信頼感」「安心感」を与える音楽でなければならない。
結局、今回に限っては、クライアントのイメージに合う著作権フリー音楽が見つからなかった。そこで、クライアントとの相談の結果・・・「既存」の曲でイメージに合うものがなければ、新たに作っちゃおう!ということになり、「オリジナル曲」を制作することになった。音響効果スタッフが、もともと作曲も手がけられるため、依頼内容を「選曲」から「作曲」に変更してもらった。
すると、さらにクライアントからは、どうせなら「歌詞」も入れて、商品のテーマソングを作りたい!と話はどんどんエスカレート。最終的には、歌詞が加わった立派なオリジナルソングが完成した。
ただしオリジナルソングと言っても、編集したTVショッピングの番組に合わせる上で、どうしても“ナレーション”と “歌詞”がかぶってしまう部分が出てきてしまう。“歌詞”によって、大切なナレーションを視聴者が聞きとりにくくなってしまうのでは、本末転倒だ。そのため、何度か「オリジナルソング」を作り替えたりと、思いもよらない大作業となった。

 

男か?女か?


今回もう一つ、制作会議で最後の最後まで揉めたのが、ナレーターだ。
私は、ナレーションには、男性ナレーターを提案した。扱う商品が健康食品のため、「信頼感」「安心感」を前面に打ち出したいと考えたからだ。「声」については、もう好みの問題なのかもしれないが・・・。 
一方、ディレクターと、クライアントは、女性ナレーターを提案してきた。クライアントが過去に作ったTVショッピングがすべて女性ナレーターなのだと言う。企業イメージはとても重要だ。また、TVショッピングは、5分ほどの番組尺だが、番組に登場する人物が、若干男性の方が多いため、女性ナレーターの方がメリハリが利く、というのがディレクターの意見だった。
そこで、制作関係者10名ほどで、サンプルCDを聞きながら、会議を重ねた。男性ナレーター、女性ナレーター、数名ずつ候補者を絞り出し、会議を重ねた。
最終的には、選択するポイントとして、健康食品の効用を伝える上で大切な「信頼感」「安心感」を重視してもらい、今回は、男性ナレーターを採用してもらった。これが「吉」と出るか、「凶」と出るかは、わからないが・・・この判断の是非は、商品が「売れる」かどうかにかかっている。
企業の命運を左右するTVショッピング!やはり普通の番組制作とは違う、一種独特な緊張感がある・・・。