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Vol.045 Canon XF105 / XF100レビュー

先日、XF105 / XF100のデモ機を貸して頂いた。自分は、テレビ番組のロケの際、自らカメラをまわすことも多いが、あくまでも本業はディレクターなので、制作スタッフとして、XF105 / XF100を見てみたい。

〜ファーストインプレッション〜


以前から興味があったカメラだけに、期待を込めて、ケースを開けてみると・・・やはりインパクトを受けるのは、本体のコンパクトさ!撮影に不慣れな制作スタッフでも、簡単に扱えそうなサイズがいい! XF105 / XF100の兄貴分に当たるXF305 / XF300と比べると、大きさは、3分の2、いや半分くらいのサイズではないかと思ってしまうほど、コンパクトさが目を引く。

実際に持ってみると・・・重さもちょうど良い感じだし、バランスもいい!これなら、長時間の撮影でも疲れないので、ドキュメンタリーなどの密着取材系のカメラとしても最適だ。 仕様書を見ると、本体質量は、1070グラムとなっている。これより軽いと、逆に軽すぎて安定しないこともあるので、大きさ、重さは、我々制作スタッフが扱うカメラとしては、ベストではないか。 ドキュメンタリー番組の取材では、ディレクターが1人でカメラを持って、1日中、取材対象者を追いかける、といったケースも多いが、このXF105 / XF100なら、さほど力のない人でも、そんなに疲れないはずだ。 〜メニュー画面で各種設定してみると・・・〜  では、操作のしやすさはどうだろうか・・・ さまざまな設定を行う際は、液晶パネルに付いているジョイスティックを使うのだが、これがとても使いやすい。 密着ロケは時間との勝負!ロケ現場についたら、即撮影!ということも多々あるので、各種設定の操作が、短時間で確実に行えることは重要なポイントだ。しかも、ジョイスティック付近のデザインが、カメラ全体のデザインにとけ込んでいて、見た目もかっこいい(全体のデザインにとけ込みすぎて、最初、ジョイスティックがどこにあるのか、ずっとわからなかったほどだ・・・)。

 〜「フォーカス・ズーム・絞り」〜


レンズのリングは、切り替え式のマニュアルリングだ。レンズ横のスイッチで切り替えることで、フォーカス・ズーム・絞りの調節を、リングをまわしながら行える。自分は、正直このタイプはあまり好きではない。 「フォーカス・ズーム・絞り」の調整を、独立したリングにして欲しい。

でも、実際に使ってみると、印象が変わってしまった。 切り替え式のマニュアルリングでも、撮影自体にあまり支障はない。 その理由は、オートフォーカスが優れているためだ。公園で走る子どもや、犬を追いながら撮影してみたが、フォーカスが「オート」でも、動く対象物に自然にフォーカスを合わせてくれる。なので、私がXF105 / XF100を使うときは、フォーカス、絞りは、オート。レンズのリングは、ズームで使うことが多くなる。

 〜余計なものはいらない〜


レンズは10倍レンズだが、これも通常のロケでは問題ないはずだ。 オプションで、ワイドレンズがあるが、通常のレンズでも、かなりワイドに撮影できる。身体一つで撮影に行く場合には、ワイドレンズを携帯しなくても充分だ。私は、通常、リュックの中に、予備バッテリー、記録メディア、レンズクリーナー、音声関係の最小限の機材だけを入れて、なるべく身軽な状態で、ドキュメンタリーなどの密着取材を行うため、若干重みのあるワイドレンズはできれば置いていきたい。もちろんワイドレンズを携帯していれば、様々なシーンで、活躍すると思うが、あくまでも“1人ロケ”レベルと割り切れば、XF105 / XF100は、オプションのワイドレンズを持っていかなくても事足りるはずだ。 余談だが・・・制作スタッフの中には、服のポケットに、バッテリーと、記録メディア(まだテープが多いが)を入れてロケに行くケースが多く見られるが、たしかに機動力の点では、一番良いのだが、記録メディアは、ポケットに入れていても、落ちるケースが多いので、必ずチャックなどの付いた場所に入れることをお勧めする。というのは、先日、自分が落としてしまったからだ。幸い、近くを歩いていた人が拾ってくれたので助かったが(その方が神様に見えた!)、撮影した記録メディアを紛失してしまったら・・・恐ろしくて想像することもできないくらいだ。

 〜やっぱりCFはありがたい!!〜


記録は、CF(コンパクトフラッシュ)カードで、フルハイビジョン記録を行う。これも非常にありがたい。「CFカード採用」は、コストパフォーマンスの点でも助かるし、CFカードは、様々な店舗で取り扱っているため、緊急時でも手に入りやすい。(DV-CAMのカメラで撮影している時、テープがなくなっても、コンビニでDVテープを購入できるので、幾度となく助かったことがある・・・) また2つのカードスロットが付いているが、2枚のCFカードに同時に記録できるため、バックアップとしても使えて心強い。「カードに記録する場合、カードのトラブルが起こることが心配だ」というディレクター仲間は非常に多いが、 この2スロットの同時記録“バックアップ機能”は、精神的にも負担を軽くしてくれる。そしてもちろん編集もファイルベースで行えるため、スピーディーにノンリニア編集に取りかかれるのは、もはや言うまでもないだろう。

 〜他と差をつける大きなポイント!〜


もう一つ驚かされたのは、このコンパクトさで、4:2:2方式を採用している点だ。今回は時間の関係で、画質の比較などはできなかったが、4:2:2方式であれば、編集時の加工、テロップ入れ、色補正などでも画質の劣化が少ないはずなので、作品のグレードを高めることができる。今後は、編集室を使わずに、自宅のノンリニアで完パケまで仕上げるケースも増えてくると思う。その際、常日頃から加工による画質劣化は、私自身かなり深刻な問題だったのだが、XF105 / XF100の4:2:2方式採用は、ディレクターの大きな武器になるに違いない。 もう一つ気になった特徴をあげると、ズームレバーのショックレス機能だ。 私が、電動のズームを使わない理由は、このクラスのカメラでは、ズームの「スタート」と「止め」が難しく、スムーズなズーム表現がなかなかできない(私が未熟なだけかもしれないが・・・)。でも、このズームレバーのショックレス機能は、「スタート」と「止め」のスピード具合を自然に調節してくれる。 制作スタッフが撮影する場合、多くの人が、ズームは「マニュアル」ではなく「電動」で行っているが、ショックレス機能のおかげで、撮影した映像の「品質」はかなりアップするはずだ。

 〜XF105? or XF100?〜


XF105には、HD-SDI出力も付いているため、モニターでハイビジョン映像をチェックできる点は魅力的だ。プロならば、この「HD-SDI出力」は重要なポイントだろう。 でも、XF100は、XF105より、10万円ほど安いらしい(あくまでもネットなどの情報である!)ので、“1人ロケ用”のカメラとして割り切るならば、XF100で充分なのではないか。

またこのサイズ、価格を考えると、素人の方でも手に入るし、簡単に使いこなせるだろう。子どもの運動会やお遊戯会などで、XF105 / XF100を持って撮影するお父さん、お母さんが登場するのではないか・・・  欠点を探そうと思ったが、制作スタッフが使う取材カメラとしては、なかなか欠点は見当たらない。 強いてあげるとすれば・・・自分としては、このサイズのままで、やはり「フォーカス・ズーム・絞り」のリングはすべて独立してくれれば、尚良い!と思うくらいだ。